2の続きです ●ヒロトにはまずやりたい音楽があって、それを実現するためのバンドがあってというドライな認識があるんだけども。 「うん」 ●ただ、日本って国のムードだとやっぱり人間関係とかメンバー同士の絆とかいったものがすごく関与してくるんだけど。ヒロトの場合その辺はどうだったの? 「人間関係は悪くないよ。えーとね、僕が見えてなかっただけで、もっと悪い時期があったのかもしれないけども。今は、べつに無理してニコニコつき合うとか、そういう感じでもないし、4人のムードはもう今さっきのありのままだよ。全然そんなことじゃあないんだよ(笑)」 ●そうじゃなくて、解散することによって例えばそういうものへの後ろめたさ、ウェットな感傷みたいなのは? 「ああ、ああ。それはないよ」 ●(笑)ないよ? 「ないよ。感傷は、悪いけどない。う〜んとね、持とうと思えば持てるよ。一所懸命今まで10年間のことを思い出して『ああ、楽しかったなあ』と思えば、それは普通に思えるよ。だけど、なんか周りの人が『解散、解散』って大層に考えすぎてんだ」 ●いや、そうじゃなくてわがままで辞めるわけでしょう。「あの人に悪いなあ」とか、そういう意味での後ろめたさみたいな部分でもなかったの? 「あ、そうかあ!そういう意味の後ろめたさかあ。う〜ん、最初はあった。だからバンドのミーティングっていうんじゃなくて1人ずつに相談するような形で話したしね。そんで、みんなが納得してくれなかったら、『もうちょっとやろうよ!できるよお!』って強く言われたら『何ができるかなあ?』ってもう一回考え直せるかもしんないけど」 ●わかってくれたと? 「うん。そうそう、そういうことで言えばもしかしたら僕が気付いてないだけで、ほかのメンバーはすごく傷ついてるかもしれない。あ、そうか」 ●「あ、そうか」って、今頃(笑)。 「はははは。いやあ、なんかもう、自分の欲求の方が先に立っちゃって。迷惑かけたかなあ(笑)」 ●でも、ヒロトの中ではそれを尊重すべきという掟があるんだ? 「うん。そりゃブルーハーツやろうと思えばできるよ。だけど、やったからって自分の達成感とか満足感が得られるとはあまり思えなかったんだ。だからやっぱり、どう考えても、引き止められても辞めてたな」 ●だけど『スティック・アウト』と『ダッグ・アウト』を作る前のヒロトが「ブルーハーツでやれる可能性も見えたし、イメージも拡がらないなあ」という感想を持って、あそこで辞めるって言ってるとすごくわかりやすいストーリーなんだけども。 「うん」 ●いわゆる再スタートっていう勢いであの2枚のアルバムがあってツアーもあって、「これから新しい土地を開拓するぞ!」という雰囲気だったから、そこで見切りをつけてしまうって一体何が起こったのかもうちょっと詳しく聞きたいんだけども。 「だから、あの2枚のアルバムを作ってるときの感触とかは、これからの可能性を暗示するものではなく、僕にとってはじつは『頑張ってここまでかな』っていうことの認識だったんだよ。『ここまでできたんだから次もっとすごいの!』っていうんじゃなくて、『ここまでできた、もういいんじゃないか!』っていう気にもなっちゃったの。で、もう一歩踏み出すときに、例えばブルーハーツってのが大きなステップだとしたらーーーちょっと話が飛んじゃうけども、地球がビッグバーンでバーンッとできるじゃない?その0から1になった瞬間って、ものすごい、なんかもう嬉しいような、楽しいような(笑)、不安なんだけどすごく面白いでしょう。で、そこから1になって、そして10年間頑張って1,5になり2になった。それはそれなりに楽しいし、それをもう10年間頑張ったら3になるかもしんないけども、あの0から1になった感じって、なかなか滅多に味わえないよね。そんで、僕もう一回なんか0から1になるような気がしたんだよ。でも、そん時に『スティック・アウト』と『ダッグ・アウト』を作ったときの達成感ってのは、0が1になる達成感ではなく、1が1,5になってみたりするちょっと良くなったっていう感じだったんだよね。それは同じステップの中に居たの。右足を階段に踏み出しました、左足を次のもう1コ上に置きたかったんだけど『左足もその段に乗りました』程度だったんだよ(笑)」 4に続きます [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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