6の続きです ●それはほんとに人間本来の正直な姿かもしんないなあ(笑)。 「ははははは」 ●でも、それやっちゃ身もフタもないって意見がこの国では多いけど。 「(笑)そうそう」 ●身もフタもあるぜ、みたいな? 「うん、ある!だって、それは実際の私生活で俺がそんなに結婚して別れてって、そういう意味で言ってるんじゃないよ(笑)。ただ、音楽表現をやるってことに喜びを感じる人間として、当然主張してもいい権利だし、やり続けることの方が僕は聴き手に対しても誠意があると思う」 ●ブルーハーツを10年やって今までで一番イヤなこと、一番幸せだったことはなんですか。 「ヤなことは思い当たらないなあ。イヤなことがあっても、すぐ忘れちゃうんだよ。憶えてないでしょう?だって例えばバンドじゃなくて、自分の人生で今まで一番ヤだったこととか言われてもけっこう憶えてないよね。良かったことはいっぱいあったんじゃないかなあ。だから、それはすべてのアルバムに対して今でもやっぱり愛情あるしね。今までやってきたライヴとか、そういうことに関してもやっぱなんか情はあるよね。愛すべきバンドだよ。僕にとっては絶対忘れられない」 ●とくに思い出すことはある? 「何だろうなあ?やっぱすげえたくさんのお客さんが喜んでくれたり楽しんでくれたことかなあ。それはこれからもやってくつもりなんだけど。うん、それが一番かなあ」 ●でもデビューしてから10年の間に困難は数限りなくあったと思うんだけど、それは克服できても、逆にやりたいことっていう前向きなものが現れた時にそれだけは克服できなくて、それがバンドを壊してしまうというのはすごく面白いよね。 「うん。だから例えば俺は古女房と暮らしながら『こいつ気に入らねえな、もうブン殴ってやろうかな』と思いながらも、我慢できるんだよ。我慢できるの。そんでそれなりに毎日暮らせると思うんだ。全部これバンドに置き換えて解釈してくださいね。だけど、新しい好きな女ができたら走っちゃう!バンドに置き換えて解釈してくださいよ、何度も言うけど」 ●ははははは。何を怯えてるんだ? 「(笑)誰が読んでるかわかんないじゃないですか?ははははは。わかりやすいかなと思ってこういう表現をしてるんですよ。ね?『そんなのわかんないよ』と言われるといけないからそれを夫婦生活にたとえて今喋ってるんですよ(笑)」 ●ヒロトにとって今回の解散というのは、バンド事情が云々とかアクシデントとか、そういうことではなくてヒロトのロックンロールの実践としてあるってことなんですか。 「そうです!長いロックロール人生に於ける一つの転機と考えていただければ(笑)。そうするとロックンロールってなんだって話になるよね。で、ロックンロールを実践することはリーゼントにして革ジャン着て一生を過ごすことじゃないよね。僕にとってのロックンロールっていうのは一つの価値観なんだよ。で、それは例えば子供の頃からいろんなところで目にしたり耳にしたりする『勉強ができる』ってのは一つの自分の価値だよね。『俺って勉強できるよね』とか『俺は運動ができるよ』っていう。で、逆の意味もある『運動ができないからダメなのだ』とか『勉強できないからダメなのだ』って。それから今度もっともっと大人になるにつれていろんな価値観が見えてくるじゃない?『あの人って優しいから素敵だよね』とか『あ、背が高いからカッコいい』とか、それから顔が男前だとか胸毛があるだとか(笑)」 ●ははははは。 「いろんな価値観があるじゃん。例えば、すごいヘンな話、匂いがキツいから好きだっていう人も居るわけでしょ(笑)。何でもありなんだよ。そんで、世の中にいろんな価値観がもう出尽くしてきた最後に、そのすべての価値観にハズれちゃった人が居たとするね、それって落ちこぼれってことじゃん。もう身体くさくもねえし(笑)かといっていい匂いでもねえし『何にもないんだよねえ』って言った時に、最後に残された可能性がロックンロールなんだよ!で、人類がまだ把握できてない価値がロックンロールの中には存在するんだよ。それを僕は最後の価値観と呼ぶんだけど。で、これはもういくら研究したところで、到底、説明のしようがないんだけど。でもその最後の価値観を身につけるためには、ほかの価値観ってある程度邪魔なんだよ。だから、そこでロックンロール人生に於いては『ひでえやつだ』とか『あの人は優しくないね』とかそんなことはどうでもいいことんなってくるじゃん(笑)。そういうことなのです」 8に続きます [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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