1991年 都市生活マガジン 『宝島』No.238 に載っていたものです。 最初の方はほとんどインタビュアーさんの文です。 ブルーハーツがカッコイイ理由を再検証する “いいSEX、してますよ。” ●むかし親と暮らしていたころ、ときどき親父が思いだしたように『ウッ!』とか『ギャッ!』とか、ワケのわからないわめき声を上げているのをよく聞いた。そのときは特に深く考えなかったのだが、ある日突然、ぼくは『ぐえっ』とか言いながらそこらへんを七転八倒している自分に気づいた。なんだこりゃ親父と同じじゃないか、と思った途端、ぼくは、なぜ親父が突然奇声を上げるのか、理解してしまったのだった。 親父は、むかし自分がしでかしたこと、それらモロモロの『過去の汚点』を思い出し、恥ずかしさといたたまれなさを『ギャッ』という奇声でゴマ化していたのだ。 好きな女の子の前でアガリにアガリまくり、おかしなことを口走り、あとになって、ああ、変なヤツだと思われたろうなあ、なんであんなこと言ったんだろう、うわー耐えられない…とか。誰でもそういう経験はあるだろう。若気の至りってヤツだ。 そういうときに、どういう対応をするか。もう2度と同じアヤマチを犯すまいと思う。犯すまいと思うあまり、その原因となる対象に近づかないようにする。それが一番安易で、安全確実なように見える。でも、それじゃ逃げてるだけで、本当の解決にはならない。 じゃあどうするかと言えば、もう一度その娘のとこに行って、勇気を奮い起こして話をするのだ。うまく行かないかも知れない。もしかしたら、さらに輪をかけた大恥をかくかも知れない。だがまあ、それでもいいのだ。そうすることによって、確実に、間違いなく、もうひとまわり大きくなる。それを繰り返して、人は成長していく。 『ギャッ』は、その人が確実に成長し、進歩していることの証明なのだ。『ギャッ』がない人生なんて、いったいなにほどのものだと言うのだろう。 ブルーハーツはデビュー以来基本的に、スタジオでのレコーディングはすべて一発録りである。普通だったら、アルバムを何枚も作るうちに、レコード制作の面白さを知り、だんだんライブとは違う意味での完成度を求めるようになるはずなのに、彼らは相変わらずレコーディング・テクニックなんてとこからは無縁に、素朴でストレートな『せーの』方式に固執している。 ※No.238 Aに続きます [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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