宝島 

No.238 B



※Aから続いてます


だから、逃げる。オレは別にマジじゃねえからさあって。そりゃ、その方が自分は傷つかなくて済む。ギャッ! と言わないで済む。でも、傷つかない代わり、進歩も成長もない。

河「レコーディングの前になると、いろいろ弁解を始めるわけ(笑)。どうもカラダの調子悪いなあ、とか言って(笑)」

マ「運動会の前になると、腹が痛いとか頭が痛いとか、いろいろ言い訳始めるようなもんですよ(笑)」

ヒ「でも、結局、全力尽くしちゃうんだよな、俺たち。相手もいないオナニーでも一生懸命やっちゃう(笑)」

●そう。それがブルーハーツだ。愚直なぐらい、マジだ。あくまでも自らの『恥ずかしさの原点』を、執拗に追い詰めていく。自らの背負っている情けなさや弱さを隠すことなく、さらけ出そうとする。傷つくことを恐れない。だから、前向きだ。
彼らも年をとる。年相応のチエや分別も出てきているだろう。例えば『M・O・N・K・E・Y』という曲では、『大人になって/大事なものを/忘れそうなら/ついて来い』という歌詞が出てくる。つまり“大事なことを忘れそうな”彼らがいるわけだ。だが大切なのは、なにもかもわかっていながら、それでもまっすぐに、ぼくたちを取り巻くいろいろなことに対して、前向きに対等していくということだ。
若さのままに、怖いもの知らずに突っ走ることは、実はそれほど難しいことじゃない。『若さの至り』なんて、誰でもあるんだからね。だが、怖いもの、恥ずかしいものを知ってしまった上でそうあり続けることは、実に大変なことなのだ。恥ずかしいものをひとつひとつ突き詰めていく課程で、シンプルな言葉やサウンドの中に、とても複雑で陰影に飛んだ表情を持つようになり、それはもっともっと複層的に折り重なって、しかもシンプルゆえの力強さも保ち続けている、そういうことだ。同じ言葉を使っていても、そこに込められたニュアンスが全然違うということだな。それだけ彼らの叫びが、心の深いところから発するものであることが理解できるだろう。
だから、ぼくは彼らを信用できる。彼らは決して、逃げないだろう。これからもずっと『ギャッ!』と言い続けるだろう。『若気の至り』であり続けるだろう。いいじゃないか。


彼らはレコーディング終了後、シカゴを中心としたアメリカ北東部の10都市へ小ツアーに出かけている。


※No.238 Cに続きます





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