５の続きです ●はははは。 甲本「いいこと言うね。ほんとにそうだよ」 真島「陰だとか憂鬱な僕だとかを表現してること自体が――」 甲本「浅いね」 ●そこまで言い切りますか。 真島「もちろん」 甲本「またその客がヤなんだ、俺(笑)。頭悪いよ」 ●じゃあ今まで買ったマーシーのソロ・アルバムは中古屋に売っぱらってハイロウズのアルバムを買えということですね。 真島「(笑)いやいや。僕の出した４枚は素晴らしい熱狂と興奮のものですよ」 ●いやいや。物凄い絶望が渦巻いてる。 甲本「(笑)」 真島「そんなことないって！」 ●もう印税入ったからあれを売ってセカンドを買えっていう。 甲本「そんな計算してたの？(笑)」 真島「いやいや。せっかく作ったんだから全部聴いてよ(笑)」 ●でも今の気分はそうであると。 真島「そう。僕はわかったんだよ、何かを」 ●そのわかったマーシーさんの心持ちが”俺軍”という究極の一人称に表現されてますけど。 真島「そうですね。素晴らしいことです。男は１人きりでも軍隊なんですよ」 ●俺が隊長で俺が兵士だと。 真島「そう、俺がルールなの。おれはここにいる」 甲本「(笑)キースだ」 真島「俺昔からハード・ボイルドもの――ハンフリー・ボガードとか探偵フィリップ・マーロウものに弱いんですよ」 甲本「日活ロマン・ポルノとか」 真島「それは違う！(笑)」 ●ドン・キホーテとか。 真島「そうですね。１人きりの軍隊。自分の正義のために。だから世間の常識とかは関係ないんですよ」 甲本「お国のためじゃないの？」 真島「自分の正義のために。たとえそれが法にふれようとも、俺が正義だ！」 甲本「俺が天国！」 ●話はそれますがシングル“相談天国”のカップリングの曲が“デトロイ・モーター・ブギ”で、あれは素晴らしい曲だと思ったんですけど。 甲本「ああ、そうっすか(笑)」 ●うん。車のCMとタイアップでさ。車の産業都市デトロイトをひっかけ、キッスの“デトロイト・ロック・シティー”のイントロが入り、歌詞は≪カーカーカー(車)≫って言ってるだけという。さすがハイロウズのタイアップ・シングルっていう感じでしたけど。 真島「はははは」 甲本「“デトロイト・モーター・ブギ”は随分前からあったの。最初はね、“デトロイト・ロック・シティー”のイントロはなかったの。ジョン・リー・フッカーをイメージして、ジョン・リー・フッカーなデトロイトの感じのブギでやりたかったんだけどやる機会がなくて、セッションかなんかでいつかやろうと思ってたときに“相談天国”のタイアップが決まって、カップリングを何にしようかってなったときに『ピッタリのがあるんですよ、みなさん！』なんて(笑)。で、ちょうどみんなでレコード屋廻ってキッスのレコード買って笑ってた時期だから、『”デトロイト・ロック・シティー”のイントロつけましょう！わははは』、『そりゃ面白い、やってみよう！』ってそれだけ」 ●(笑)なるほどね。ジョン・リー・フッカーのイメージで作った曲がキッスになってしまったり、“相談天国”みたいな一歩間違えればダサダサハードロックになってしまうのを逆にカマしてやれっていう。ハタから見てるとあのシングルは第２期ハイロウズのアクセルの役割をしたね。 真島「なるほど」 甲本「ギアをガッガッ」 真島「まあ、やったなっていう感じはありますね」 ●一個タガがはずれたね。 真島「それはね、前回のヒロミックスの写真で」 甲本「はははは」 大島「あれで変わった(笑)」 真島「あれでタガがはずれたんだ」 調「あれでギアがガッと入った感じ」 真島「あんな格好しちゃったらカッコつけてもしょうがねえよって」 甲本「ありがとう、ヒロミックス」 ●“相談天国”のシングルで「このゴリゴリ・ロックの裏に爆笑あり」っていうのがすごい見えたかなっていう。 甲本「かっとばしてるんだけど鬼のような形相でかけずり回ってるんじゃなくて、爆笑してヨダレをガーッて垂らしながら目の前を通り過ぎていく暴走野郎(笑)」 ７に続きます [先頭ﾍﾟｰｼﾞを開く] [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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