５の続きです ●ヒロトさんって、ディズニーランドの中でもいろんな感動を見つけられますよね。それを自分で、ロックバンドじゃない１つのファンタジーとして別に表現しようとかそういうこととか考えられないんですか？ 「・・・・・・考えてないねえ。それは何かのきっかけがあったらブワーッと流れ出すものかもしれない。だけどハイロウズなんてバンドをやってたら、他のことには目がいかないよ。ホントに、すっっごい面白いよ。でね、僕は多くの表現者の伝記とかいろんなものを読んだ時に、何かに追い立てられてるように書いてたり、歌ってたりする人が多かったと思う。『俺はもう死ぬんだ。人生何十年しかねえんだ。やりたいことこんなある。全部やっちまうんだ！』っていうようなさ、で、『成し遂げるんだ！』みたいな意思によって機関車のように動き続けた人っていうのはいっぱいいたと思うの。ところが僕はね、僕の人生において何も残せなくても悔いはないんだ」 ●強迫観念がないんですか？ 「ないんだよ。強迫観念があるとしたら、楽しんでない瞬間を過ごしてることに非常にイライラする。『何やってんだろ！こんなオモロくない時間過ごして』って、それに気づいた瞬間、『うぁーっ、どっか行きてーっ』とかさ(笑)、『逃げてぇ』とかさ」 ●それってたぶん数値化された世界に汚される前に自分の城を作れたからだと僕は思いますよ。 「そうなのお？ラッキーってこと(笑)？」 ●ラッキーかどうかわかんない。それは自分の成果だから。 『・・・いや、みんなでもそれは、楽しむチャンスをいっぱい持っていながら、その俺を脇目で見ながら通り過ぎてしまう人もいるわけじゃん。『僕はこっちの道を行くって決められてるし』とか、なんかおかしいんだよな。道じゃないとこも歩いていいんだよ。だって、最初から道がそこにあったわけじゃないんだもん。誰かが歩いたから道になったわけじゃん。人類の歴史上みんながそこを歩いたからって、俺がそこを歩かなきゃいけない理由はねーじゃんとかさ(笑)。そこで、なんかその、なんかいろんな決まっちゃったこと、自分が生まれる前に決まっちゃったことによって楽しくない時間が訪れるっていうのはさ、すごくイライラするんだ。だから、たまに言うんだけどさ、人生の目標があってそれに向かってまっしぐらに走ってる人はさ、ものすごくたくさんの成果を残し、充実した時間を過ごしてると思うの。でも僕はそうじゃないの、目標はないの。今踏み出したい方に踏み出すの。ゴールなの」 ●それはいい。 「(笑)そう、ゴールは今。『楽しい！』と思った瞬間がゴールなの。何かをするための媒体でもなければ、手段でもないの。必ずそこには目的があるんだよ。バンドが目的。バンドによって金を儲けるのが目的じゃないよ。バンドで音出した瞬間がゴールなんだよ。あとはもう、ギャラとか入ってくるのは『ラッキー!!!』みたいな(笑)」 ●あははははは。 「でもホントそういう意味ではね、そのうち刺されるんじゃねーかって思うような幸せな人生だなと思う。で、自分が幸せだと感じれないのであれば、どんなに恵まれた状況にあっても意味ないと思う。自分が意識して自覚できること、『自分は幸せなんだ』と、そこで初めて幸せなんじゃねーかな、人は」 ◆終◆ [先頭ﾍﾟｰｼﾞを開く] [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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