Relaxi`n

甲本ヒロト 4


3の続きです


●曲を作ったときっていうのは、特定な気持ちとかマーシーとの打ち合わせとかいろいろあったりはしなかったんですか?
「いや、それはない。お互いいつもそうだよ。話し合いながら『だから今回のテーマはこうだからこの曲はこうしよう』とかさ、そういうふうにやっていく作業でアルバムが作られたことっていうのは今まで一度もなく、実はそういうふうなことをしてても飽きちゃうと思う、その1つのコンセプトに。ロックンロールにとって何かすごく大切なものがあるとしたら、コンセプトも大切だよ、大切なときもある。だけどコンセプトっていうのはさ、大抵の場合『何を』っていうことにかかってくると思うんだよ。『誰が』っていうところに『俺たちが』、『何を』っていうときにコンセプトが出てくると思うんだよ。で、次に『どんなふうに』っていうのがあるじゃん。その『どんなふうに』に僕はすごくこだわる、『何を』よりも。『何を』をすごく大事に考えたときに、『どんなふうに』の部分が弱くなっちゃうんだよ。『何を』っていうのが素晴らしく輝いていたとして、そのコンセプト通りにやっていくんだ!っていうことでやってたらさ、『仕方がなくやりました』になったらしょうがないと思う(笑)」


●ははは。
「『何を』を無視してでも、『むっちゃ楽しく!』とか、『力任せ』とか、その『どんなふうに』のところは変えたくないんだよ。『バカテンションで』とか。ロックンロールにとって僕が一番大切なのは『何をやるか』じゃなくて、『どんなふうにやるか』だって思うわけ。だから、だからこそ例を挙げていうと、ジョン・レノンの”Be Bop A-Lula  ビーバッパルーラ”はまさにそうで、人の曲じゃん(笑)。『何を』ってことに関して言えば、ジョン・レノンのロックンロールなんて『何を』ってことを言ったらさ、屁みたいなことじゃん。そんな誰でも知ってる歌を歌いますっていうさ。でも、『どんな風に』ってところで、ジョン・レノンはやっぱ天才だと思うんだよ。『こんな風に歌うんだぜ!』っていうさ。で、それはパンクロックもそうだと思うし。パンクロックなんてさ、大した斬新なアイデアなんて俺は感じないんだけど、サウンド自体に。60年代ビートグループの焼き直しみたいな感じじゃん?それは『何を』って部分だよね。ところが『どんな風に』って言ったときに、ジョニー・ロットンの写真1枚見たときに『ヴォーカルっつうのは、こうやって歌うんだぜ!!!』って顔してたし―――」


●自分だけのむき出しの世界ですよね。
「そうそうそう。『ロックっていうのはよう、こうやってやるんだぜっ!!!』っていうあのジョー・ストラマーの心意気、それが『どんな風に』って部分なんだよ。で、ロックを面白くしてる非常に大きな要素だと思う、『どんなふうに』っていうのが。それか『誰が』、『誰がどんなふうにやるか』、そして『どこで』は問題じゃないね。で、その次に『何を』だよね。」


●ヒロトさんはマーシーさんの曲でそれをやってるんだよね。
「うん、マーシーの曲は僕にとっては『何を』なんだよ。でもどんな曲が出てきても『ロックっていうのは、こんなふうにやるんだぜ!』っていう、その・・・気合い入れて歌ってるよ(笑)」


●例えば、”岡本くん”って曲ありますよね。これはたぶんマーシーの個人的な人生の中での大切な記憶だと思うんですよ。
「うん、だから僕そんなことも考えないよ。それがホントなのか嘘なのかは関係ないし、それからでっち上げでも構わないし、ファンタジーでもいいと思うし。そういうことはね、問題じゃないよ、僕にとっては。歌って楽しい。二人ともロックンローラーなんだと思うよ(笑)。マーシーもそんなことはどうでもいいんじゃねーかな・・・・・うん、そう思うな。だってそれは、例えばだよ、マーシーがその曲を作ったときに何か事実があったかもしれない。それがそのまま伝わるんだったらさ、ロックやってる意味ないよ。それはさ、ケーキ食ってケツからケーキが出てくるようなもんだよ、『噛めよ、消化しろよ』って(笑)。聴く人にも言いたい、『耳から入ってきたまんまかよ!』って(笑)。・・・


5に続きます





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