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1.兆し
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事の始まりは
一件の報告からだった――









ルーク達一行は、レベル上げのためにシルバーナ大陸をうろついていた。
いつもの事ながらジェイドとアニスのコンビネーションはバッチリ。

「アニース♪」

「はーい大佐♪」

「ターピュランス!」

「ぐるぐるぐんぐにる!」


その瞬間、モンスターは音素と化して消えた。

「大佐、かっこいい」

「ありがとうございます、アニス」

「相変わらず強えよなぁ、ジェイドとアニス」

「二人揃ったら、敵なしですわね」

「実際、これほどやりやすいパートナーはアニスが初めてです」

「愛の力ですよね、たーいさVv」

「そうですね♪」

「旦那ら、大概そのアニスの技で仕留めるよな。なんか思い入れでもあるのか?」

「ぐるぐるぐんぐにるは、大佐のお気に入りなの」

「何となく、ですがね。アニスらしい技だと思うのですよ」

ジェイドは、アニスを愛おしそうに眺めた。

と、その時。

「お取り込み中失礼致します、カーティス大佐」

ジェイドの部下であるマルクト兵がやってきた。

「何事だ」

ぱっと振り向いたジェイドの表情がいかにも高官らしく急変する。さっきの表情とはえらい違いだ。


「あーぁ、ジェイドの奴、さっきの表情部下の人に見られたんじゃねぇの?」

「…かもな…」

「聞こえてますよ、二人とも。…私がそんなヘマをするわけがないでしょう。………報告しろ」

「はっ。今日未明、サフィール・ワイヨン・ネイス博士が脱獄致しました!」

「…了解した。新たな情報が入り次第、報告せよ。下がっていい」

「はっ!」

マルクト兵は素早く駆けていった。


「…やれやれ。まぁ、いずれやらかすだろうとは思いましたがね」

「そんな呑気な事言ってる場合ではありませんわ!」

「まぁ確かにアレは馬鹿ではありますが、知識だけは無駄にありますからね。放っておくのは厄介です。」


「じゃあ捕まえに…」

「いえ、情報が入るのを待ちましょう。とりあえずケテルブルクに戻りますよ」

一行はレベル上げを中断し、ケテルブルクへ向かった。
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