1/2ページ目 グランコクマのベンチで、ふいにルークが口を開いた。勿論、この場にジェイドはいない。用事で軍本部へ行っている。 「…ジェイドが酔ってる姿、見たことある奴いる?」 当然、この場に首を縦に振る者はいなかった。 …と、その時。 「ハーハッハッハッ!」 聞き覚えのある笑い声がした。 そう。神託の盾六神将死神ディストだ。 「うわ〜、なんかでたし」 アニスが嫌そうに呟くと、ディストが大声をあげる。 「何を言うのですか!折角この私が、貴方達の欲しがっているものをあげにきてやったというのに!」 「俺達が欲しがっているもの?」 ルークが訝しげに眉をひそめた。 「ええ!貴方達の話を聞いて、ぜひともこれを使ってほしくなったのです!!」 ルーク達の話が聞こえるとは、どれだけ地獄耳なのか。 ともかく、ルークはディストの差し出した小瓶をうけとった。 「…これは?」 「音機関を使って、人間が耐えられるギリギリの所までアルコール度数を上げた特殊な酒ですよ!!」 「へえ!」 音機関と聞いた途端に、金髪の青年が目を輝かせた。 「今日の私は機嫌がいいですからね。差し上げますよ。そのかわり!絶対使って下さいよ!絶対ですからね!必ずジェイドに酔った姿をさらさせるのです!ハーハッハッハッ!」 言いたい事を言いきった死神は、笑いながらどこかへ去っていった。 「…どうする?」 「使ってみようぜ!」 いつもなら冷静なはずのガイは、音機関が絡んだせいでいやに乗り気だ。 「でも…」 ティアが渋るが、ガイがうまく言いくるめた。 そこに、珍しくアニスが難色の色を示した。 「えー!アニスちゃん嫌だからね! 「どうしたんだアニス?いつもなら真っ先に賛成するのに」 「だって、今日大佐と相部屋なのは私なんだよ!手のつけられない大佐の介抱するなんて、絶対嫌だからね!」 (酔った大佐と一晩一緒にいたりしたら、何されるか分かったもんじゃないよ!) 心の中で呟いたアニスだったが、結局全員に頼み込まれて仕方なく同意したのだった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |