1/3ページ目 「ちょっとぉ!大佐、ガイ!何してるんですかあ!」 「おぅ、アニスじゃないか」 「おやぁ、見つかってしまいました」 「見つかってしまいました、じゃありませんよぉ!煙草なんて体に悪いもの、やめて下さい!」 そう。彼らが吸っていたのは、煙草。この場所がひとけのないアルビオールの裏である事を考えると、大人だけの休息の時間、といったところだろうか。 「大人には大人の事情があるのですよ、アニス」 「そうそう。なかなかスッキリするんだ、これが。」 「駄目なものはだぁめぇ!」 「お、心配してくれてるのかい?」 「煙草って超高いんだよ!?吸ったってデメリットしかないのに!そんなもの買うなんて、アニスちゃんが許すはずないでしょ!」 「やっぱそっちかι」 そこに、ジェイドがいかにも残念そうに口を開いた。 「恋人の身体を心配してくれないなんて、残念ですね」 「う…。そりゃ、まぁ。心配してないわけじゃないけど」 アニスは一瞬ひるみ、しかしすぐに言った。 「心配なのもあるし、高いし!とにかく駄目なの!すぐ棄てて下さいっ!」 「まぁ別に依存しているわけでもありませんし…やめるのは造作もありませんがね」 「よかった!じゃあ…♪」 「嫌です」 「えぇー!?なんでぇ!?」 「私は自分に利益のない条件は飲まない主義ですから」 「む〜!」 「…そうですねぇ。可愛くおねだりできたら、考えてあげましょう」 「…!?//////」 「ち、ちょっと旦那ι目の前に俺がいるってわかって言ってんのか?」 「さぁ、どうしますか?」 「…無視かよι」 「…た、大佐。恥ずかしいから目つぶってもらえます?」 「…いいですよ」 「おいおい…」 ちゅ、と軽い音をたてて可愛らしいキスをしたアニスの頭を、ジェイドは間髪おかず引き寄せて深いキスを送った。 見ていられなくなったガイは、いちゃつくふたりに背を向けて座り直した。 「…よくできましたね、アニス。いいでしょう、煙草はやめる事にします」 「きゃわん♪さっすが大佐!」 ふたりの会話をよそに、ガイは我関せずと、ひとり煙草をふかしていた。 …その時。 「…さて」 「ガ〜イ♪」 ぎく。 ガイは嫌な予感がした。振り向けば、絶対ふたりとも満面の笑みを浮かべているに違いない。そもそも、声がすでに何か企んでいる、黒い声だ。 「…な、なんだい?」 ガイは、恐る恐る振り向いた。予想通り、二人はにっこり笑ってこちらを見ている。 「まさか、自分は関係ない。なーんて思っていませんよね?」 「ね?」 「え?いや…ははは…」 苦笑いで流そうとしたが、二人の黒い笑みが濃くなるだけだった。この二人に、そんなごまかしが通用する訳がないのだ。だって相手は、このジェイドとアニスなのだから! 「アニスちゃんに抱き着かれたくなかったら…」 「それを見た私に嫉妬の雷を落とされたくなければ…」 ガイの背中に冷たいものが走った。 「「…やめる(ます)よね?」」 「よ、喜んでやめさせて頂きます!!」 この二人に睨まれて逆らうなんて、馬鹿かディストのすること。(いや、ディストも馬鹿か。) 賢いガイは、従順にしたのだった。 ちなみに。 ジェイドと違って軽く依存していたガイは、やめるのになかなか苦労したとか。 →オマケ <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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