short
Smoke Battle(JA+G)
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「ちょっとぉ!大佐、ガイ!何してるんですかあ!」

「おぅ、アニスじゃないか」

「おやぁ、見つかってしまいました」


「見つかってしまいました、じゃありませんよぉ!煙草なんて体に悪いもの、やめて下さい!」


そう。彼らが吸っていたのは、煙草。この場所がひとけのないアルビオールの裏である事を考えると、大人だけの休息の時間、といったところだろうか。

「大人には大人の事情があるのですよ、アニス」

「そうそう。なかなかスッキリするんだ、これが。」

「駄目なものはだぁめぇ!」

「お、心配してくれてるのかい?」

「煙草って超高いんだよ!?吸ったってデメリットしかないのに!そんなもの買うなんて、アニスちゃんが許すはずないでしょ!」

「やっぱそっちかι」



そこに、ジェイドがいかにも残念そうに口を開いた。


「恋人の身体を心配してくれないなんて、残念ですね」

「う…。そりゃ、まぁ。心配してないわけじゃないけど」

アニスは一瞬ひるみ、しかしすぐに言った。

「心配なのもあるし、高いし!とにかく駄目なの!すぐ棄てて下さいっ!」

「まぁ別に依存しているわけでもありませんし…やめるのは造作もありませんがね」

「よかった!じゃあ…♪」

「嫌です」

「えぇー!?なんでぇ!?」

「私は自分に利益のない条件は飲まない主義ですから」

「む〜!」

「…そうですねぇ。可愛くおねだりできたら、考えてあげましょう」

「…!?//////」

「ち、ちょっと旦那ι目の前に俺がいるってわかって言ってんのか?」

「さぁ、どうしますか?」

「…無視かよι」


「…た、大佐。恥ずかしいから目つぶってもらえます?」

「…いいですよ」

「おいおい…」



ちゅ、と軽い音をたてて可愛らしいキスをしたアニスの頭を、ジェイドは間髪おかず引き寄せて深いキスを送った。

見ていられなくなったガイは、いちゃつくふたりに背を向けて座り直した。


「…よくできましたね、アニス。いいでしょう、煙草はやめる事にします」

「きゃわん♪さっすが大佐!」


ふたりの会話をよそに、ガイは我関せずと、ひとり煙草をふかしていた。

…その時。






「…さて」

「ガ〜イ♪」


ぎく。

ガイは嫌な予感がした。振り向けば、絶対ふたりとも満面の笑みを浮かべているに違いない。そもそも、声がすでに何か企んでいる、黒い声だ。

「…な、なんだい?」

ガイは、恐る恐る振り向いた。予想通り、二人はにっこり笑ってこちらを見ている。


「まさか、自分は関係ない。なーんて思っていませんよね?」

「ね?」

「え?いや…ははは…」

苦笑いで流そうとしたが、二人の黒い笑みが濃くなるだけだった。この二人に、そんなごまかしが通用する訳がないのだ。だって相手は、このジェイドとアニスなのだから!





「アニスちゃんに抱き着かれたくなかったら…」

「それを見た私に嫉妬の雷を落とされたくなければ…」



ガイの背中に冷たいものが走った。





「「…やめる(ます)よね?」」




「よ、喜んでやめさせて頂きます!!」






この二人に睨まれて逆らうなんて、馬鹿かディストのすること。(いや、ディストも馬鹿か。)
賢いガイは、従順にしたのだった。



ちなみに。
ジェイドと違って軽く依存していたガイは、やめるのになかなか苦労したとか。


→オマケ
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