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護る護られる(GN)
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「ねぇガイ。貴方やっぱり女性恐怖症は治りませんの?」

「…そう簡単には、ねι…でもどうしたんだい?いきなり」

「………」

ナタリアは、ガイの瞳をじっと見つめる。

「ナタリア?」


ぎゅっ…


ふいに、ナタリアがガイの手を握った。


「うっ……!」

当然のことながら、ガイの身体はガタガタ震えて、逃げようと身をひく。

「はっ離してくれナタリア!」

「ガイ、私の目をみるのです」

ナタリアは、そんなガイにやんわり微笑みながら優しく声をかけた。

「…ナタ、リアっ…?」

やはりガイの震えが止まる事はない。ナタリアは、片手でぎゅっと握っていたガイの手を、両手で包んだ。

「…ねぇ、ガイ」

「は、いっ」

震えのせいで、ガイの声が裏返る。

「これを女の手ではなく、私の手だと意識して頂けません?」

「…そんなっ事を、言われてもっ…」

「分かりますか?伝わりますか?私の体温が」

「たい、おんっ…?」

「あったかいでしょう?これは、生きている証ですのよ。貴方が護ってくれている暖かさです。貴方が前衛で戦ってくれるから、この手があるのです」

「まも、る…?」

ガイは息を乱しながら、小刻みにカタカタ震えつつ、聞き返した。

「そう。そして、貴方を護っている手でもありますわ。この手が、貴方にヒールをかけますのよ?」

「護られ、てる…」

ガイの震えが、止まった。

「貴方のお姉様と同じように、貴方を護っている手ですわ。…ねぇガイ。怖くありませんでしょう?貴方が護り護られているこの手が、どうして怖い事がありましょうか」


「…そうか。そう、だな…」

ガイが、ナタリアを見て柔らかく微笑んだ。先程までの緊迫した固い表情とは、えらい違いだ。それに、ナタリアもにこ、と微笑み返す。

「…不思議だな。もう、君の手は怖くないよ」


それを聞いて、ナタリアがよかったですわね、と、ぽんとガイの肩を叩いた、その瞬間。




「ひいぃっ!」

「……………」

ガイの身体が、後ずさった。

「う…す、すまないι」

「まぁ、そう簡単にはいきませんわよね」

「手を握るのは多分大丈夫みたいなんだが…肩とかに触られるのは、まだι」


申し訳なさそうに頭をかくガイをみて、ナタリアはふぅ、と仕方なさそうに息をはくと、微笑んだ。

「でも、いいですわ。だってこれからは、貴方に手を繋いでもらえますもの。」
「ナタリア…」

二人は顔を見合わせると、どちらからともなく手を重ねたのだった。
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