short
love letter(JA)
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コンコン

「大佐、いますかぁ?」

ここはケテルブルクホテル。導師の体調がすぐれないため、本日はここで宿泊する事になった。


「ええ、どうぞ」

今日は空き部屋がたくさんあったので、全員個室を与えられている。

「失礼しまあーす♪」

「どうしました…おや。いい匂いがしますね」

「優しいアニスちゃんからの差し入れですよ♪大佐、夕食の席に来なかったじゃないですか。それに、最近疲れてるように見えるし」

「すみません。片付けなければならない仕事があったのですよ。…オムライスですか?」

「半分正解です!実はこの卵の中身、大佐の好きなマーボーカレーなんですよう!」

「ほう。それは美味しそうですねえ」

「そ、れ、に♪よく見て下さい!」

「おや、ケチャップで文字が……“た い さ が ん ば れ“…?」

「当たりでーす♪こういう所にさりげなく書いてあるメッセージって、なんだか嬉しくなりませんか!?」

「そうですねぇ…。私としては、愛の言葉が書いてある方が嬉しいのですが?」

「ふぇ!?…あっああ愛ですかあ!?」

「冗談です♪」

「はぅ…。」

「これ、戴いてもよろしいですか?」

「あ、はい!」

「………ふむ。これは美味しい。」

「やった♪」

「…御礼を差し上げなければなりませんね」

「え!お金とかお金とかお金とか?」

「はずれです♪」


「ぶーぶー」

「とりあえず、手をだして下さい。それから目を閉じて。」

「は〜い」

「いいと言うまで開けてはいけませんよ?」



ジェイドはあるものを取り出すと、左手でやんわりとアニスの手を掴んだ。
そして、すらすらと右手を滑らせる。

「大佐ぁ。手、くすぐったいですー」

「もう少し……っと。アニスこれを握って下さい。」

あるものを握らせてから、ジェイドは「いいですよ」と言い残して部屋をでていった。



「ん?これ……可愛い!リップグロスだぁ!」


握らされていたのは、アニスに似合いそうなピンクのリップグロス。そして…

「あれ?手の平になんか書いてある…」

アニスの手の平には、そのリップグロスでかかれた、ピンクの文字。





“I love Aniss.”







そのすぐあと、廊下で大佐に抱きつくアニスの姿があったとか。


『大佐だーいすきっ♪』


fin.
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