1/1ページ目 「たいさぁ」 ソファに腰掛けていたアニスが、ジェイドをよんだ。アニスの呼び声に、ジェイドは彼女の隣に腰をおろす。 「何ですか?」 問えば、アニスの大きな瞳が彼の顔を下から覗き込んだ。 「大佐って、部下の人以外には常に敬語ですよね?」 「ええまあ…立場上、そのほうが都合が良いので。それが、何か?」 アニスは、うーん、と首を傾げてから、口を開いた。 「…陛下に対しては、たまに敬語はずれますよね。なんでですかぁ? 「…何を言うかと思えば。まぁ、昔の名残…でしょうねぇ」 「ふぅん…」 つまらなそうにそう言いながら、アニスはジェイドを見上げた。 大きな茶色の瞳が、ジェイドを捉える。そんなアニスを見て、アニスの心情を理解したジェイドがくすっと笑う。 「もしかして羨ましいんですか?陛下が」 「いっ…いや、えっと…その…」 図星を指されてあたふたするアニスを横目に、ジェイドは器用に片手で眼鏡をはずすと、カタン、と目の前のテーブルに置いた。 ゆっくりと立ち上がり、アニスの正面に立つ。 「え、え?」 困惑するアニスをよそに、ジェイドは両手をソファの背に押し当てた。自然と、アニスの逃げ道を塞ぐ形になる。 「あの…な、なんですかぁ?」 遮るものなしで真っ赤な瞳に至近距離で覗き込まれたアニスは、顔を赤くする。 「何を赤くなっているんだ?」 「!?」 いつもと違う風なジェイドの雰囲気に、アニスの頬が林檎のように染まる。 アニスの様子にジェイドは、ふっと不敵な笑みを浮かべる。 「そんな可愛い顔で見上げないでくれ。キスしたくなる。」 「〜〜〜〜っ!////」 ジェイドの言葉に、さらにアニスは紅潮した。それを見つめていたジェイドは、楽しそうに目を細める。 「忠告はしたんだ。肯定という事でいいのか?」 「え?……んっ!…」 ジェイドは、アニスが返事をする前に唇を奪った。ふいをつかれたアニスは思わず逃げようと身をよじったが、余計に深く口づけを与えられるだけだった。 アニスの力が抜けてきたところで、ジェイドはアニスを解放する。息が上がってぐったりしているアニスは、大人しくジェイドに身を預けた。 アニスの息が整ってきたのを確認して、ジェイドが口を開く。 「…さて、いかがでした?」 「…今まで通りでいいですι」 (毎日あんな風に話されたら、あたしの心臓がもたないもん!) 「では、貴女がもう少し成長して、心臓がもつようになったらということで。」 「…。」 彼女の心の叫びは、彼にはおみとおしだったらしい――――。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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