【サマータイム、サマータイム】 時間を無駄にする 休日の一番の過ごし方 生ぬるい曇り空 薄汚れたモルタル ショッピングの人たち 海沿いの地方都市 まどろみのような昼下がり 西の海は灰色のムースのようで 貨物船は表面をスプーンのように削っていく 大事ではない風景 重要なことは 頭の中に何もなく ただいろいろな欲望が 入れ替わり 立ち替わり 意識の下から 現れてくる 平和なのだから 困難もなく 生きているのだ 少なくとも 今日この一瞬 命はここにある そしてそれが 貴重だという事実は すっかり忘れて しまっている 東の場所を 思い浮かべ 水中で溶けていく人を 思えば この瞬間にも 誰かが 命を絶ちたくなるほどの慟哭に うちひしがれていて 悲しみと怒りが 視界を覆うとき この国の人々は 苛立ちを深め 憎しみの対象を 探しはじめている 手をとりあうとか 力をあわせるとか ひとつになるといった 協調を重んじようとした社会のムードに まだ隠れてはいるものの不平や不満は それ自身の影響力を 他人にひろげて どうしようもない 現状を ただひたすらに 変えてしまうことだけを願うばかりの人を 増やしている 病を根治させるのではなく ほんの一瞬痛みを 忘れてしまえるだけの 薬を 欲しがっているように 見える夏が 近づいて くる [感想を書く] [最新順 ][古い順] 感想はありません <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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