diary2

2019年3月27日(水)
【3/23(その4)】
3/23(その4)

(その3からつづき)
ウエムラ×ケンジくんの次は

Kei Kumagawa(ケイ・クマガワ)

彼の普段使用しているアーティストネームは
「Kei Kumagawa is Dead.」
です。
でも今回は「is Dead.」がない
「Kei Kumagawa」の表記で出演したいということでした。

もう一つ彼はソロのライブで
使用するアコースティックギターには
約5年前初めて会った時からずっと
「This Machine Kills Hippies」というメッセージが書かれていて、それは
多分Woody Guthrieの「This Machine Kills Fascists」の翻案、あるいはカリカチュアだと僕は思っていたのですが、きっと彼なりの何か込められている思いがあるのだろうと考えていました。
そのメッセージが3/23に会場へ現れた彼がケースから取り出したギターのボディから消えていました。

それらの変化は
たまたま偶然だったのか
あるいは
「頓田の森事件」を踏まえて
「Dead」あるいは「Kills」というワードを使わないようにしたのか、
確認はしませんでしたが、
Kei君の3/23の「トンタの森で会いましょう2019→1945」に対する
強い思いや
真摯な姿勢を感じました。

現在僕の周囲にいるアーティストで
そして福岡を拠点に活動するミュージシャンで
彼ほど
自らのイメージやペルソナを
駆使して
日常と非日常のあわいを
漂うような不思議で
妖しげなアーティストイメージを
形作りながらも

それでいて本質を突く
言葉や
生身の人間の痛みにあふれた
普遍性、肉体性を併せ持つ
個性的な佇まいの音楽を生み出すミュージシャンを他に知りません。
初めて邂逅したような
衝撃を受けました。

それだけにきっと
音楽活動に対する意識も高く、能動的に主体的に動く人、共演者への要求も高いレベルでこだわるのかなあという印象がありました。

ただ親しくなったからといって、軽く
僕のイベントに出てくれないかと
声をかけてよいものか…

なんせ「This machine kills Hippies」
の人です。僕はピート・シーガーやウディ・ガスリー、初期ボブ・ディランのプロテスト・ソング、ジョン・レノンのラブ&ピース、60年代ロックのヒッピー的価値観に影響を受けていて

それが「6・19」「トンタの森で会いましょう」のように平和への祈りを音楽イベントの形にする、コンセプトに繋がっています。

しかしそれは見る人が見れば
欺瞞的な価値観であるということも
気づいています。60年代のアーティストの理想はいつしか堕落して金塗れになり、それを暴いたのが80年代のアメリカのインディーズパンクであり、90年代のグランジシーンでした。おそらく彼の音楽的な出身地はそこだと思いました。
Kei君のギターのメッセージからは彼は「ヒッピー的愛と平和のコンサート」的な価値観からは距離を置いているのではないかと…
考えざるを得ませんでした。

オマエ考えすぎ!と
言われそうですが
やはり意識を高く持って
活動しているアーティストに対しては
やはり色々想像を巡らせるのが
リスペクトするということだと
僕は思いますから…

まあという訳で
ずっと5年くらい
彼とはライブハウスで会ったり
お互いのライブに行き来したりはしていましたが、イベントへの出演を
打診することはありませんでした。

それが昨年12月初旬にBlowin'で僕とウエムラ×ケンジくんがブッキングライブに出演した夜、演奏後に店主のマルツカ道さんに「来年のトンタの森で会いましょうの日にちを押さえておきたいのですが?」というお話をさせていただこうとしていたら
観に来てくれていたKei Kumagawa君が
「なんすか!俺は?俺出ますよ!」
と話に割り込んで(笑)来たので

「ええっ?本当に?」
「まじで?」
「いいの?」
と一人で3回くらい聞き返した記憶があります(笑)

それでもやはり音楽家として
人間として尊敬できる人だと思っていたので、自分のイベントに出演してもらえるのは光栄なことで、引き受けてくれたのは嬉しかったです。

まあ、こんな風なイメージで
僕はKei Kumagawaを認識していましたが、共にイベントを開催して
今となってみれば、自分はずいぶん型にはまった考え方、目線でKei君の事を見ていたんだなとわかります。

これは彼のblogから
「頓田の森平和花園」を訪れた時の記事。
https://keikumagawa.wixsite.com/isdead/tonta-no-mori

ちっとも斜に構えたところのない
素直な文章。

本当に3/23に向けて
だんだんイメージやペルソナの奥の
生身のKei君を知ることが多くなった気がしました。

さてイベントが始まって
コチコチに緊張したり放心したり
挙動不審な僕に、「大丈夫すか?(笑)」と声をかけてくれたり、気を遣ってくれたり。

さあ僕はきょうKei Kumagawaを
どう紹介しようか、考えがまとまらないまま
出番が来ました。

でもセッティングが完了した瞬間から
彼はもう演奏を始めてライブに入ろうとしていましたので
僕はただ「Kei Kumagawaくんです!」と言っただけでした(笑)

3/23のセットリスト
1 かのように
2 sunny
3 花小径
4 秘密の街

なんとも濃厚なフェロモンを撒き散らすような「かのように」
本人には?って思われそうだけど
僕は真島昌利の「風のオートバイ」という大好きな曲を、思い浮かべてしまいました。

そして次の曲、サビのメロディーが
とびきり切ない「sunny」。ここでKei君はsunnyさんを呼び込んで「 sunny featuring sunny」。粋な演出です。

そして次の曲
「花小径」
これは23日の朝、当日に完成した
というピカピカの新曲。
この曲にはすごく驚かされました。

そしてこの曲を聴いて
Kei君が「トンタの森で会いましょう」に出たいと思った気持ち、きっと頓田の森を訪れて感じたなにかしらが
溢れているように
思いました。
「お母さん僕こんな世界に生まれたくないよ、大丈夫、大丈夫、ゆびきりしよう」っていう歌詞のあたり
なんか胸が?きむしられてぐっとなりました。

僕は今年のイベントの準備期間も当日もなんだかずっと考え込んでぐるぐるしていたんです。でも「花小径」聴いてるときにふと

あー、今年もやっぱやって良かったな、って初めて思ったんですね、あの瞬間だけ、時間が止まったみたいに。でもすぐまたぐるぐる考え始めたけど(笑)



4曲目はKei君の「秘密の街、やりますよ!あ、ちなみにキーはAです。全員でやりましょう!」という返信から
始まった企画「秘密の街セッション」

編成は
(アコースティックギター/ボーカル
ハープ)
Kei Kumagawa
(エレクトリックギター)
sunny
(スライドギター)
ウエムラ×ケンジ
(キーボード)
岡村釦
(タンバリン)
福崎正人

でお送りしました。
色々な風景が浮かんでくる
9分近い大作
歌詞をしっかり頭に叩き込んで
力強く歌っていたKei君のボーカルに
引っ張られて
ヨタヨタしながらも完走(完奏)した感じです。

頭で色々考えていたけれど
Kei Kumagawaは
とにかく人間臭い一生懸命な男で
ひたむきな姿に感動させられました。
それでいてやっぱ憎らしいくらい
様になるミュージシャンでした。

彼がもうたくさんだ!と思ってなければ、ぜひまた僕の主催ライブに出演してもらいたいです。

(その5へつづきます)










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