diary2

2020年1月15日(水)
【1/15】
https://youtu.be/3pG1Qfj8IBA

昨年は
僕にとっては
「Gord Downie」という
アーティストと
「The Tragically Hip」という
バンドを
知った年になりました。

40年間(余りの時間の長さに
呆れますが)
8歳では既に家にあったビートルズやストーンズを聴きはじめていたので
もう40年ロックを聴いている計算になるのですけど

まだこの歳でこんな風に
出会えるアーティストがいたことが
不思議であります。
しかも6歳か7歳の時のビートルズのように、The Tragically Hipも既に活動停止しています。なぜなら中心人物でリードボーカリストのGord Downieが
2017年10月に脳腫瘍で亡くなったからです。

The Hip(母国カナダのファンはそう呼ぶそうです)は1983年にカナダのオンタリオ州キングストンの高校の同級生で結成されて、34年間の活動で10枚以上のアルバムをカナダのナショナルチャートのトップ10にランクインさせて
、「カナダのグラミー賞」であるジュノー賞も10以上、特別表彰もされている、カナダのロックの歴史的なバンドです。しかしアメリカではチャートの100位内にランクインしたことがないという、「カナダの秘密」とも呼ばれる不思議な存在でもありました。

僕はイギリス、アメリカのクラシックなロックを中心にアイルランドや南米のバンドもかなりマイナーなものまで聴いてきました。音楽雑誌もラジオもそれなりにチェックしてきたのに
日本のロックジャーナリズムや音楽情報の中で、昨年まで1度としてThe Hipの名前も、Gordの(Downie、実はThe Hipは二人のGord,Gordonの短縮形ですが、を擁するバンドです。ボーカリストと、ベーシストのGord Sinclairです。)名前も全く聞いたことがありませんでした。誰かが楽曲をカバーしているのも聴いたことありません。

昨年秋にYouTubeでライブ映像を観て、ガツンとやられて、インターネットで(これがネットの怖いところですが)、知って調べた瞬間に、既に解散した事、ボーカリストが亡くなったことを知るという…

でも数週間のうちに主要な曲を聴きまくり全部覚えてしまうくらいはまるとは、不思議でした。

極めつけは、亡くなったボーカリストのバイオグラフィーを調べていたら
彼がソロ活動を行っていたこと、故郷のオンタリオ湖の環境保全活動やカナダ先住民との和解のために、カナダの歴史についてたくさん建設的な提言をしているアーティストだと知ったこと。

そしてバンドの最後のツアーを発表する際に自分が脳腫瘍の中でも最も悪性と言われる膠芽腫を発症して余命宣告を受けていることを公表して
記憶に深刻な障害が出始めていること
それでもカナダツアーを貫徹し、
更に実在した先住民の少年を主人公に
近現代のカナダがいかに先住民を抑圧してきたのかをテーマにしたソロアルバムとそのツアー、もう一枚の素晴らしいソロアルバム(23曲収められています)も発表して、そのリリースの直前に家族に看取られながら53歳で亡くなったそうです。

(2016年8月の最後のカナダツアー最終公演を全曲網羅したコンサート映画
「A National Celebration」と
Gordの闘病とツアー、バンドの歴史を裏方さんやファンの視点で描いたドキュメンタリー「Long Time Running」もYouTubeで公開されています)

まるでパラレルワールドのようですが
全く交わらない世界でロックに接していた僕は、The HipとGordによって、またしても人生で何度目かわからないけれど、ロックに、ロックンロールの魅力に
深く気づかされてしまいました。

彼らの音楽性は
一言で言えば、かっこいいギターロック、という平凡な表現になってしまいますが
おそらく同世代のU2やREM、Gun'sn Rosesとも一味違う、ブルージーなツインギターはストーンズやエアロスミスのようであり、楽曲のメロディの陰影感はThe SmithsやThe Policeみたいで…
でも全体のムードは
The DoorsとJim Morrisonを彷彿とさせます。

それはきっとGordのライブでのパフォーマンスとカリスマ性かもしれません。



そしてカナダ以外ではブレイクしなかったのは
とにかく楽曲が風景、生活習慣、歴史、スポーツなど徹底して「カナダ」についての
ものであること、これはカナダの音楽業界、ロック界ではまだ誰もやったことがないことだったみたいで稀有な存在になっていきました。


Gordの、Jim Morrisonとは違うカリスマ性、Mick Jaggerとも、Roger DaltleyともBonoとも、マイケル・スタイプとも、アクセルローズとも、モリッシーとも違うところは
どう表現したらいいかな、

僕は勝手にピーター・ガブリエルを
思い浮かべてみたのですが(あんな変な衣装は着ないですが)
なんとなくユーモラスで優しい感じ、マッチョ感は出さないけど、セクシーで、やっぱりどこかに狂気を秘めている感じ、それがThe HipのGordですね。
そしてソロアーティストとしてのGordはとても紳士的で、社会的な関心が強いテーマ性に繋がり、反対に音楽性は
内省的で音数の少ない、カナダの冷涼な気候を彷彿させるクールな音楽を作る人でした。

長くなるとは
書き始める前から
わかっていましたが(笑)

すみません、冗漫な長文で。

添付したリンクは
The Hipの代表曲のひとつ
「At the Hundredth Meridian」の
珍しい長尺版。途中からチェンジオブペースをしてバンドはジャムセッションをしていくなかでGordが「らしさ」を存分に発揮するパフォーマンスをします。やがて終盤になって本編の曲調へ戻るタイミングの鮮やかさなどは
30年以上活躍したバンドの真骨頂です。ボーカリストもギタリストもベーシストもドラマーも僕好みのプレイをするグループだと思います、まあ好みは分かれるでしょうが、ぜひご一聴ください。

彼らによってなんだか
カナダという国にも親近感が湧いてきたこの頃であります。


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