diary2

2022年11月21日(月)
【11/20】
読書メモ「田中伸尚/未完の戦時下抵抗(屈せざる人びとの軌跡)」
(2014年岩波書店 刊)


皆さんは、田中伸尚、という作家をご存知だろうか。僕は福岡市の図書館の蔵書の検索していて、たまたま知った。現在も執筆活動をしている、先年には日本エッセイストクラブ賞や平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞している。実力を認められた人なのだと思う。1941年生まれなので、大ベテランの方なのだ。
しかし、この人の著書を
ざっと並べると書名だけでも際立った
特質、この人が追ってきたテーマが
迫ってくる。

「大逆事件(生と死の群像)」
「ドキュメント 憲法を獲得する人びと」
「日の丸・君が代の戦後史」
「靖国の戦後史」
「憲法9条の戦後史」
「教育現場に「心の自由」を-「君が代」強制を問う北九州の教職員」

他にも、殉職した自衛官の妻が、靖国への合祀の取りやめを求めて国とたたかった裁判の記録、昭和天皇のクロニクルなど。

どうだろうか。おそらくこの人の本は
一部の人びとからは「サヨク」だの「パヨク」だの言いがかりをつけられて、貶められているかもしれない。
そんな人びとにこそ、この人の作品を読んでみてほしい。過去に実際に起きた出来事で、闇に葬られた事実を一つ一つ探し明らかにする姿勢に、何か感じるものがあるはず、題名や見出しだけで、決めつけるのはもったいない。僕は「この作家を読まなくちゃ!」「読みたい!」と思って最初に選んでのがこの
「未完の戦時下抵抗」だった。

まさに僕が自分の国の戦後史、近・現代史において、疑問を感じている出来事をテーマにいくつも作品を書いている人であり、いずれはこの人の著書に出会うことになっただろう。

「未完の戦時下抵抗」は
2014年に刊行された。いわゆる安保法制を安倍政権が反対意見を強行突破して次々に制定していった時期。

かつての15年戦争の時にも、国や軍部へ戦争をやるべきでないという主張をして、逮捕された人たちがいた。拷問を受け罪をねつ造された人たち、社会的立場を奪われた人びとがいた。でもそれでも戦争に違をとなえることを諦めなかった。そのたたかい方も人それぞれで、中には弾圧する特高警察や検事を畏怖させたような人もいる。
「屈しない」姿勢が、彼らの生きた姿であり、後世の人に託したいものだということを感じた。

「細川嘉六」
「鈴木弼美」
「浅見仙作」
「竹中彰元」
「浪江虔」

本書の主人公と言える
この五人の人たちの存在も
初めて知った。
個人的に思うのは
政府が国として弔うべき人は
この人たちか、あるいは
細川嘉六は免訴になったが、無実の罪で獄死した「横浜事件」の被害者(冤罪逮捕暴行死)や大杉栄、伊藤野枝、小林多喜二など、政府や軍部や警察権力に殺された人びとであり、断じて吉田茂や安倍晋三ではないはずだ。



11/21^13:14
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