diary2

2022年9月6日(火)
【9/6(その1)】
飯塚に久しぶりに歌いに行きました。
余裕を持って3時間くらい早く着いて、特に用事があるわけではなく、持って行ってた筑豊炭鉱についての本を読めそうなカフェがあるといいな、くらいの気分でした。

でもバスターミナルには適当なところが無くて、とりあえず移転したという新しい店舗の場所を確認するしに会場のライブハウス「Hulot」の周辺から、ぶらぶら歩き始めました。

蒸し暑くて風がなかったので、汗がだくだくです。9月の初めという時期は、夏というともう遅く秋というにはなんとなく早すぎると思いませんか?
蝉が鳴いてる静かな飯塚の街には、あまり人が歩いていなくて、お店は少なかったです。

吉原町の会場の近くに、芳雄橋という大きな橋があり、穂波川と遠賀川の二つをまとめて架かっています。橋を渡っていると風が吹いて多少は暑さがしのげました。

新飯塚駅に着いても暑さを避ける場所が見つからず(一応クーラーの着いた待合室がありましたが、若いカップルがいい感じだったので、入れませんでした)

冷房の効いたJRの電車でとりあえず涼もうかと思ってるうちに、となりの飯塚駅に着きました。前回「Hulot」にお邪魔した時は主催をしてくれた福津のカッコいいバンド「Girasoul」のリーダーのガン大塚さんにここまで迎えに来ていただいたんでした。

薄曇りの空の下の飯塚駅に降りても、まだ風はなく、汗はまだひいてなくて、駅前には殆どひとけがなく、タクシーが二台客待ちしていました。
周辺案内図をぼんやり見ていると、Hulotがある界隈には、こっちからでも同じくらいの距離、しかも僕が好きな場所、図書館もある、ここなら冷房ある、ということでまた街の景色を眺めつつぶらぶら歩き始めました。(結果的には図書館は休みでした)

音楽を聴きながら、博多からは最初ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、ピーター・トッシュ、それとバニー・ウェイラーを聴いてました。彼らルーツレゲエのアーティストはロックンロール以上に社会の不正や虐げられた人の目線でストレートな歌詞を歌うのです。

バスの中でも読んでいた林えいだいさんの本は600ページ以上ある長大なものですが、中から
現在の麻生グループが経営した炭鉱で、朝鮮人や中国人をどれだけ劣悪な環境と待遇で働かせていたのか、それに対して彼らはどう思いながら生きていたのかの部分を読んでいました。

正直読んでいて、ここまで酷いことを
酷いと思わずにしてしまった麻生炭鉱側の労務管理のやり方に、胸がもやもやして、この辺りの歴史、炭鉱経営の暗部は、いまこうして飯塚の街を歩いて、観光案内など見ても一切無かったかのように書かれているのを見ても、どうにも釈然としない気持ちで、胸が苦しくて、ルーツレゲエのメッセージと相まって、やばいなあ、こんな気分じゃ今日はどんなライブをしてしまうんだろうな、と案じてしまいました。

飯塚橋という、これまた立派な橋に差し掛かり橋の中程に休憩所がありました。そこで風に吹かれているとようやく汗が乾いて、気持ちもすっきりしてきました。音楽を変えて何を聴こうか、ボブ・ディランの「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」(全部を家に持って帰る、この全部はきっと奪われたもの、搾取されたもの、だと思う)にしました。

歩きながら歌を聴くというのは、部屋や車とかとは違う、歌の伝わり方がありますね。より歌詞が入ってくるような気がします。「マギーズ・ファーム」っていうディランのプロテストソングの有名な曲も入ってます。マギー一族の経営する農場じゃ働くのは嫌だよ、という。これを飯塚で聴いてたら、自然ととある悪名高い政治家の顔が浮かんできます。

だけど「ラブ・マイナス・ゼロ」や「オン・ザ・ロード・アゲイン」を聴きながら古いアーケード街を歩いてたら、なんとなく昔小倉にいたころ、ディランにかぶれてフォークシンガースタイルで歌い始めたころの気持ちが蘇ってくる気がしました。はたや楽器店という老舗があります。その佇まいを見てたら、昔魚町銀天街にあった楽器屋さんやレコード店を思い出しました。

思えば20代は、その後30代後半からの音楽活動とは違う気持ち、情熱でやっていました。
この日Hulotに呼んでくれたのは、高橋プランクトンくん。それから出演者はみんな20代から30代のミュージシャン達。

時代の違いと、年代の違いは、音楽のもたらす感情の波及効果においては大したことないのですが、言葉や
メッセージの伝え方は、注意しながらやる必要があります。若いころ、年長の人たちが投げかけるメッセージは、なんとなく上からものを言われているようで、素直にキャッチできないものがありました。

多分今の僕の関心あるテーマを、怒りに任せて吐き出しても、届かないだろうと思いました。

歳をとって変わるメンタルと変わらない部分があるような気がしますが、今日はその変わらない部分にフォーカスしながら歌うようにしよう、と思いながらまたバスターミナルまでたどり着いていました。音楽が好きになった時から、歌いたいと思ったころから変わらないものを、みんなに表現できるかどうか、それが今日のライブのテーマだろうと思いました。そろそろ会場入りの時間になっていました。




9/6^08:01
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