2014年3月13日(木) 【Steppin' Out】 Steppin' Out たぶんJoe Jacksonのこの曲だった。 80年代 福岡の郊外のいまよりずっと 退屈な町に引越した小学生の 終わりに、 FMラジオでふと流れてきた。 僕はベランダから 一人きり まだ 造成中の住宅地の街灯が 夜になると チカチカ蛍のように 光るのを見るのが好きで その時は ここが退屈な町である ことを忘れることができた。 夜の灯りを見下ろしながら 空想していると その空想の中をあの Joe Jacksonのメロディが 彩りを加えはじめた。 学校も家族も兄弟も友達も なにもかも うまくいかないことだらけの 何もない場所に 非現実のシティ ポップが 流れると もう僕が行きたい場所は そこしかなくなった。 空想のN.Y 空想のLondon テクノポップと ニューロマンティクス 空想のアジア 空想のTokyo Donald Fagen の I.G.Y. Elvis Costello の I Wanna Be Loved Peter Gabriel の Red Rain Swing Out Sister の Twilight World 音楽と空想の中に 生きる理由があり それ以外のテレビも漫画も ゲームもプラモデルも 野球もサッカーも 鼻血が出るほど陳腐で 嘘くさくて野蛮で 嫌で仕方なく どこにも居場所がなかったけど 不思議と誰かを傷つけようとか 自分を殺そうとか 一度も思うことはなかった。 誰もわからなくていい。 僕には、僕にしかわからない 秘密の世界都市の幻想と そのサウンドトラックが 夜になると 流れてくるのだから… ちゃんとそこに出入りする パスワードは知っていたのだから。 たぶんロックはその後だ。 僕はフォークは一度も好きになったことはない。 恋愛とかでも、英雄になるとかでもない。そんなことは いつだって、どうでもよかった。 ただの舞台装置でしかない。 今でも、頭の中に あのきらびやかで空虚で でも徹底的にロマンティックな 腐敗臭と紙一重の 退廃の美しい都市の音楽が 曲をつくろうとすると 流れてくる。 平和。僕が平和を気にするのは なぜだろう。 たぶんみんなが平和に 好きにやっていられたら みんな僕が勝手にしていることも 放置しておいてもらえる。 戦争だの、全体主義がでてくると 僕の空想すら 危険物だとぶち壊す。 それが心の底から 邪魔臭い、だけなんだろう。 3/1300:37 [ｺﾒﾝﾄする] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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