「my finest hour/The Sundays」

ずっと忘れられず

片思いしている。

The Sundaysというバンドは

そんな存在。

3枚しかアルバムを出さず。

もう20年も沈黙してる。

最初のアルバムが1989年に出て

それはイギリスでちょっとした現象になったけど、彼らはそういう音楽ビジネスが大の苦手だったみたいで。

92年に2nd アルバムとツアー

97年に3rd アルバムとツアー

それっきり。

このライブでも披露してる

「my finest hour」は題名の通り

音楽を通して、自分の最高の幸福感を

歌と楽曲と演奏で表現しきっている

僕の中では唯一無二の作品。

それは何十年もツアーを周り泥臭くライブを

繰り返して鉄板に鍛えあげる

タフな音楽ではなかった。

いろんなしがらみやプレッシャーから

解き放たれた親密で自由な空間と仲間とでしか

作れないほんの束の間の輝き。

それがThe Sundaysの1989年であり

彼らの最も幸せな季節だったのだろう。

僕はその頃高校を卒業して

社会で生きていけるか

不安で仕方なかった。

音楽が一番大切なのはわかってたけど

いわゆる成功したミュージシャンの

姿にも違和感があった。

The Sundaysを聴いて

「my finest hour」を聴いて

すごく腑に落ちるものが

あった。

それは言葉にならないけど…

…自分自身でい続けること…

誰かにほめられても

誰にもわかってもらえなくても

いずれにせよ…

潔くと取るか

脆く儚いと取るかは

それぞれだけど

彼らは音楽ビジネスから姿を消した。

でもメジャーからバックカタログが

売れ続けているのだから

彼らは成功者であるのは間違いなく

現在は

ボーカルのハリエットとギターのデイヴィッドの夫婦は何か音楽とは違う生業をしながら、自分たちで音楽を作りなから

仲良く生活しているようだ。子供さんも

もう成人なのではないかな。

ベースのポールとドラムスのパトリックもミュージシャンではないみたい。

パトリックは機材の会社を経営しているとか…

このリズム隊は89年には

既に90年代以降のスタイルで

演奏していた気がする。

「can't be sure」のリズムアレンジは

何十年聴いていても

ずっとずっと見事。