diary2

2022年10月20日(木)
【10/20】

今手元に10冊の本があります。

○「マダガスカル」ユベール・デシャン 著/木村正明 訳 (文庫クセジュ696 白水社)
○「テレザ」ジョルジェ・アマード著/明日満也 訳(東洋出版)
○「砂の戦士たち」ジョルジェ・アマード著/阿部孝次 訳(彩流社)
○狂い咲け、フリーダム
アナキズム・アンソロジー
栗原康 編(ちくま文庫)
○未完の戦時下抵抗
屈せざる人びとの軌跡
田中伸尚 著(岩波書店)
○平頂山事件とは何だったのか
裁判が紡いだ日本と中国の市民のきずな
平頂山事件訴訟弁護団 編著(高文研)
○ヴードゥーの神々 ジャマイカ、ハイチ紀行
ゾラ・ニール・ハーストン著/常田景子 訳(ハーストン作品集3 新宿書房)
○祈りよ、力となれ リーマ・ボウイー自伝 リーマ・ボウイー、キャロル・ミザーズ著/東方雅美 訳(英治出版)
○台湾秘話 霧社の反乱・民衆側の証言
林えいだい (新評論)
○ハワイの歴史と文化
悲劇と誇りのモザイクの中で
矢口祐人 著(中公新書)

希望としては年末までに
これらの本を読了して
10曲作りたい。
(これに加えてウエムラくんから
平頂山事件関連の本を二冊貸してもらいました)

地理や歴史に集中している気がしますが、全てに共通するのは、強い者たちによって蹂躙された土地、人びとの話だということでしょうか。

いまはリーマ・ボウイーの自伝を読んでいます。彼女はリベリア人、内戦が続いて国民は苦しめられ、虐殺され、特に女性はレイプされ、子供達は誘拐され麻薬を打たれて少年兵にされてしまう時代に女性たちの反戦運動の中心になった人。戦争の悲劇にとどまらず、彼女はリベリア、アフリカ、世界中にいまだはびこる男性優位思想、性暴力の犠牲になって望まぬ妊娠を繰り返し、ドメスティックバイオレンスの受け続けます。

リベリアは「自由の国」という国名が指すように、アメリカの解放奴隷のアフリカ系の人々をまるで北朝鮮のかつての帰国運動のようにアフリカへ送り返すことでアメリカの恣意的な考えで作り上げられた国です。しかしそれは帰還したアフリカンアメリカンと現地に住む部族との激しい対立の歴史を生みました。

「黒人をアフリカに帰せば、全て丸く収まる」というのが、奴隷貿易をしてきた人々から生まれたどれほど短絡的で誤った判断だったか、リベリアの歴史が示しているとも言えるのかもしれません。

ここにあと2冊、加えたら
僕の今年の読書の流れはだいたい
説明できます。
一冊は音楽家のカエターノ・ヴェローゾの「ヴェルダーヂ・トロピカル」
彼が主導したブラジルの音楽ムーブメント、トロピカリズモの内幕と半生、
軍事政権の言論封殺の時代に、自由な表現を貫こうとしたら、どんなことになったか、生々しく描かれています。

もう一冊、レヴィ・ストロースという文化人類学者の「人種と人権」という本。
これはすごく大事なことを学びました。1970年代に書かれた本ですが、
すでに当時人類学的な常識として、「人種の差異は非科学的である」という認識が確立していたこと。
つまり人類、ヒトの差異とは遺伝子グループの違いであって、たとえ外見的特徴が違うとしても、コーカソイドもネグロイドもモンゴロイドも同じ種のヒトという生物であり、それが膨大な時間と地理的条件、文化的な習慣の違いから異なる外見的特徴を生んだに過ぎないという科学的知見が確立していること。であるから「人種の違い」というような古い認識を速やかに改めていくことが、差別による人権侵害を無くしていくために必要であるということが書かれていました。
2020年代でも、僕たちは普通に人種差別だとか「たとえ人種が違っても」なんていう言い方を相変わらず続けていますが、これ自体がもうおかしな認識なのかもしれないです。

おそらく今日書いたような本の考え方は、現在の多数派を占める考え方とは
違うものだと思います。
しかしそれはただ今現在、優位にある人々の都合のいい考えがはびこっていて、それに合わない考えの言論や主張や研究が抑圧されて、消されようとしているだけの話で、僕はそれなら自分で少しずつ紐解いて考えてみようと
思った、だけのことです。
金もないし、できるのは先人たちが書いて残してくれた本を借りて読むことくらいしかありません。

それでできることは誰も聴きたがらないような拙い曲を作ることだけなんです。
生産性の観点から見れば、これ程低い話もない。

それにしても「生産性」大嫌いな言葉です。


10/20^22:21
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