diary2

2017年3月15日(水)
【3/15】

3/15

※物凄く長くて重い内容です。
読まれる方はご注意を。


第四回
「トンタの森で会いましょう」
という自主企画イベントライブが
近づいています。

これはアメリカ軍による、1945年3月27日の陸軍太刀洗飛行場及び軍事施設への空襲の際、誤爆の疑いが強いが、爆弾投下により亡くなった現在の朝倉市一木地区の子供達の悲劇(頓田の森の悲劇)を
伝える目的で始めたイベント。

今年そのイベントのために改めて
この、悲劇の実相を小説作品の形で
描いた一冊を読み、いろいろなことを感じました。


誤爆の森

古賀昭二著
(実録的な小説作品)

刊行元は
福岡市の出版社、海鳥社
(2017年現在は絶版のようです。)

初版刊行は
42回忌の年(1986年)。

爆死した子供達と
自死した教諭(訓導)33回忌(1977年)に
集った人びとの群像劇。


第1章 椎の実の誓い
同級生が爆死し
生きるのも死ぬのも一緒だという
約束を守れず
生き残ったことに罪悪感を
感じている男性。

軍歌「同期の桜」の歌詞が挿入されます。


第2章 吸い込まれた運命
一人息子を爆死
軍人の夫を沖縄で失った
女性
爆死は恐ろしい運命だと語る。


「海は広いな大きいな」
という童謡の歌詞が挿入されます。

第3章 とどかぬ涙
二人の娘を同時に爆死で失い
満州国官吏の夫は殉職し
国の補償の対象にならず
苦しい戦後を生き抜いた女性。
爆死は人災だと訴える。



第4章 もうひとつの戦場
爆死した児童たちが通う学校の
当時の教頭が語る戦争末期の教育の実像とそれを良しとせず
児童を戦争教育から守ろうとした
新任の女教師との話。
爆死した頓田の森を避難場所に選んだその女教師は自責の念に堪え兼ね
その夜、自死した。

「誰が故郷をおもわざる」という戦時中の歌謡曲の歌詞が挿入される

第5章 落ちてしまった爆弾
自身の叔父が爆撃隊にさんかしていたアメリカ人弁護士が
頓田の森の爆弾投下は爆撃機の故障による誤爆の可能性が高いと語る。



第6章 残された日々
出征し、フィリピンで戦傷を負い生死をさまよい復員した男性。
三人の子供達を、頓田の森で失った。臨終を看取った妻から詳しい話を聞いた模様。
その妻は戦後30年後、認知症で患い、しかし爆弾で亡くした子供達の話を何度もし涙を流すと語る。

エピローグ
地球、この大地こそ

隣町に住み、戦後を教員として働いた男性。爆死した子供達と同い年の
息子を持つ。
その息子は公務員でありながら公金横領の罪を犯し、免職され家庭は崩壊、自暴自棄になり覚せい剤に手を出した挙句、暴走事故を起こし、対向車に激突炎上被害者もろとも爆死する。その親である自分の懺悔、戦後資本主義の日本人、世界の人々が陥った道徳的堕落、その道が導く未来への警鐘。対して爆死した子供達を弔い、決して国の補償を求めることなく自己犠牲の精神で、慎ましく生きてきた遺族たちへの賛辞。



解説あとがきから


伺える著者と遺族たちとの
困難を極めた取材。

当初のノンフィクションから
フィクションへの転換。

地元に生きて
現場の直ぐそばで働き
戦前戦中の軍国的価値観で育ちながら
戦後の民主主義教育を教える役目の教員としてのジレンマ。

その矛盾に苦しみ、難航し長期化した執筆。

励ました作家による言葉。

「真に書かざるを得ない思い、語らざるを得ない思い、それなくして、筆をとるなかれ、だ。裏返して言えば、あなたは本当にそのことを書かずにおれないのですか、と。」

最後の言葉は
事件を、知り歌をつくり、イベントを始めた自分に深く深く突き刺さります。





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